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南都瓦を考案・開発された奈良県の山本清一氏(選定保存技術保持者)の本瓦葺へのこだわりを紹介しよう。
 山本清一氏は東大寺大仏殿の屋根修復、薬師寺西塔、大講堂。朱雀門など、国宝級の建造物の屋根瓦を手がけてこられた。山本氏は昭和27年から平成9年8月迄の45年間で手がけた屋根瓦の保存修復は、19件の国宝と39件の重要文化財を含め実に500件を超える数に及んでいます。
 古い屋根の保存修復工事をしながら雨水がどのように屋根裏に入りなぜ木材が腐蝕したのかを研究しながら考案・開発し完成したものが南都瓦です。



寺院建築や城郭建築など、日本の伝統的な建築物に用いられている「本瓦葺」。この仕事は、古くなった瓦をどこまで再使用できるか判断し、新しい瓦との調和をはかりながら進められます。加えて、棟や谷部の雨や強風への対策、軒の反りや屋根の優美な曲線を保つための、高度な判断力と優れた技能が要求されます。そういう意味でも、文化財建築物の保存修復工事において本瓦葺は、もっとも重要な一翼を担っているといえます。
本瓦葺が文化財建造物の保存修理に欠かせない技術にもかかわらず、一般建築での需要減少にともなって、技術体得者も減っており、技術自体の伝承と後継者の育成が最重要課題となっている。そんな中、山本さんが後継者に本瓦葺の技を伝えるためもあって取り組むのが桶(おけ)巻き作りだ。



桶巻き作りは日本最古の瓦製法という。桶のように組み立てた板を鉄の輪で固定し、麻布で包んで芯(しん)にしたものに、粘土を巻き付け筒状にする。これを四等分すると、反りのついた同じ大きさの瓦が四枚できる。山本さんは、遺跡から出土した用途不明の鉄の輪を、桶を固定する道具と見極め、製法を再現。出土した古代の瓦とも矛盾しないと専門家からも認められた。
上底と下底の直径が異なる桶 型に麻布を被せ、さらに粘土を巻きつける 形を整えて
桶を抜きとる
四つに割る 平瓦

山本さんは
「若い職人には、週に一回でもいいから桶(おけ)巻き作りを練習しろと言っている」

「原点に返ること」
「原点を知らずに復元や修復なんてできない」
             .........と語気を強める。
工場では生産効率を高めるため、土をこねる工程などに機械を導入しているが、操作に慣れるうちに、昔ながらの基本的な技術が引き継げなくなるのではないかと危機感を募らせる。若い職人に桶巻きの練習を指示するのはそのためだ。 


山本さんは、生み出した作品や技術の工程を分かりやすく後世に伝えようと励む一方で、土の感触や勘が瓦の出来を左右するとの信念は揺るがない。
「日本は技術で成長したいわば職人の国。人を育てるということはそれだけで国の利益になる」と山本さんは訴える。